
病院やクリニック、介護施設などで働いていると「うちは変形労働時間制です」と聞くことがありますよね。
でも、「結局それって何?」「どこからが残業になるの?」と疑問に思う看護師さんも多いのではないでしょうか。
今回は、1か月単位の変形労働時間制を前提に、看護師の働き方に関係する「所定労働時間」と「残業」の考え方を、具体的なシフト例を交えてわかりやすく解説します。
変形労働時間制とは?
労働基準法では、原則として
・1日あたり8時間
・1週間あたり40時間
までしか働かせてはいけないと定められています。これが「法定労働時間」です。
しかし、24時間体制の医療・介護の現場では、毎日8時間勤務にそろえるのは難しいのが現実。
そこで導入されているのが「変形労働時間制」です。
これは、一定期間(例:1か月)を平均して、労働時間が週40時間以内に収まればOKという仕組み。
つまり、ある週は多めに働き、別の週は少なめにする……といった勤務調整ができる制度です。
変形労働時間制を採用するにあたり、雇用元は必ず「所定労働時間」を定めておく必要があります。
所定労働時間とは?
「所定労働時間」とは、雇用元が就業規則や労使協定で定めた勤務時間のことです。
変形労働時間制では、1日あたりや週あたりの勤務時間が日ごとに違っても構いません。
その代わり、対象期間の平均が週40時間以内になるように設定する必要があります。
これが守られていれば、法定の範囲内で勤務時間を柔軟に調整できます。
1か月(31日)のシフト例で見る「勤務時間」と「時間外労働」
では実際に、1か月=31日の月を想定したシフト例で見てみましょう。
1か月単位の変形労働時間制と仮定して見ていきます。

変形労働時間制の場合でも、週ごとに所定労働時間を定める必要があります。
法定労働時間である1日8時間を超え、かつ、その週の所定労働時間を超えた場合、時間外勤務として残業代が発生します。
「変形労働時間制だから、長時間働いても、月の勤務時間のトータルが規定時間内に収まっていれば残業扱いにならない」と誤解されがちですが、そんなことはありません。
ですが、週の所定労働時間を超過した分がすべて時間外労働になる…というわけでもありません。
正しく理解するためには、職場で定められている就業規則や労使協定書にしっかり目を通しておく必要があります。
対象期間(1か月単位なのか、1年単位なのか)、各週の所定労働時間などはチェックしておきたいポイントです。
まとめ:制度を理解して、正しく働こう
変形労働時間制は、医療現場のように変則勤務が多い職場を支える大切な制度です。
特に、夜勤がある現場では採用されていることが多い制度ですが、時間外労働の計算方法はやや複雑になります。
ですが、変形労働時間制であっても、時間外労働は算定されますし、割増賃金の支給対象になります。
就業規則や労使協定書を確認し、働き方や給与をしっかり意識していきましょう。


