produced by 株式会社ファイブ

看護師が知っておきたい「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」の違い〜2025年改正でどう変わる?〜

最終更新日:

パート勤務や夜勤専従など、働き方の幅が広い看護師さんにとって、「扶養に入る」「扶養から外れる」は大切なテーマですよね。
でも実は、「扶養」には「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2種類があり、それぞれで基準も目的も異なります。

さらに、2025年(令和7年)の税制改正で、税金の仕組みにも変化がありました。
今回は、最新の制度を踏まえてわかりやすく解説します。

税法上の扶養とは?

税金の負担を軽くする「控除」の制度

税法上の扶養とは、家族を養っている人の税金を軽減するための制度です。
代表的なのが「扶養控除」や「配偶者控除」と呼ばれるもので、扶養している家族が一定の所得以下であれば、所得税や住民税が安くなります。

▷ 2025年の税制改正で変わったポイント
配偶者の収入が少ない場合に該当する「配偶者控除」、配偶者の収入がある程度である場合に該当する「配偶者特別控除」。
いずれの制度も、2025年の税制改正で見直され、該当範囲が広がりました。

・配偶者控除
配偶者の年収が103万円以下→123万円以下に

・配偶者特別控除
配偶者の年収が103万円〜150万円→123万円〜201万円に
※160万円までは配偶者控除と同じ金額が控除され、超えた場合は段階的に控除金額が減少

また、「扶養」の話からは少し逸れますが、少ない金額でも収入があれば住民税と所得税が発生します。今まで年収103万円を超えると発生していた所得税についても、年収160万円までは発生しないようになりました。

つまり、これまでよりも「税金がかからない範囲」が少し広がった、ということです。

◎ポイント
税金面では、「103万円」より「160万円前後」が実質の目安に。
ただし、家族構成や所得の種類によって変わるため、最終判断は年末調整や確定申告で行います。

社会保険上の扶養とは?

健康保険や年金の負担を免除する制度

一方、社会保険上の扶養は、健康保険や年金保険料を払わずに、配偶者の保険に入れる制度です。
たとえば、夫の健康保険の「被扶養者」として登録されていれば、あなた自身が働いていても保険料を払う必要がありません。

▷ 社会保険の扶養に入れる目安
・年収が130万円未満(月額おおよそ10万8千円未満)
・被保険者(夫など)の収入の半分未満
・一定の勤務時間(週20時間など)を超えない

この「130万円」がいわゆる社会保険の壁です。
また、勤務先や働き方によっては「106万円の壁」(一定以上の規模の企業において、週20時間以上働く月額88,000円以上の短時間労働者が社会保険加入対象になる)も関係してきます。
ですが、厚生労働省は、最低賃金の引き上げに伴って月額基準の必要性が薄れているとしており、「106万円の壁」は撤廃される方向です。

◎ポイント
・年収130万円を超えると、自身で社会保険への加入が必要。
・年収130万円未満でも、将来的には週20時間以上の勤務で社会保険の加入対象になる見込み。

税と社会保険、「扶養」の基準は別モノ!

ここが最も混乱しやすいところです。

税法上の扶養と社会保険上の扶養はまったく別の制度なので、
「税金の扶養に入っている=社会保険の扶養にも入れる」とは限りません。

たとえば年収135万円の看護師さんなら──

・税金の面では「扶養内」で配偶者特別控除を受けられる
・社会保険の面では「扶養から外れて自分で保険に入る」必要がある

といった“ズレ”が生じます。

働くうえで、気をつけたいポイント

残業や休日出勤の増加などで、意外と簡単に「壁」を超えることがあります。
もし「収入が増えそう」「勤務形態が変わる」場合は、

・自分の勤務先
・配偶者の勤務先

の両方に、早めに相談するのがおすすめです。

配偶者が給与で「扶養手当」を支給されている場合、「税法上の扶養」「社会保険上の扶養」に該当するかどうかを支給要件にしているケースもあります。

まとめ

「年収の壁」と聞くと少し難しく感じますが、ポイントは「税」と「保険」で別々のルールがあることを理解しておくこと。

自分の働き方や生活スタイルに合わせて、どの制度に該当しているのか・今後どうなるのかを確認しておくことで、“想定外の事態”を防ぐことができます。

年末近くにバタバタしないよう、月ごとの勤務時間数や収入をしっかり把握して備えておきましょう!

★参考:国税庁「令和7年度(2025年)税制改正における所得控除の見直し」
https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025kiso/index.htm

★参考:首相官邸「年収の壁・支援強化パッケージ」
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/nennsyuunokabe/index.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/taiou_001_00004.html

★参考:厚生労働省「社会保険の適用拡大 Q&A」
https://www.mhlw.go.jp/tekiyoukakudai/koujirei/jigyonushi/yokuaru_shitsumon/