
看護師として働く中で、患者さんの保険証を目にすることは多くても、「自分が入っている健康保険の仕組み」は意外と知らない…という方は少なくありません。
実は、働き方や勤務先によって、加入する保険は大きく変わります。
今回は、看護師さんがよく関わる3つの保険制度、
国民健康保険(国保)・医師国保・協会けんぽの違いをわかりやすく解説します。
国民健康保険(国保)とは?
自営業・フリーランス・求職中の方などが加入
「国民健康保険(国保)」は、自治体が運営する健康保険制度です。
フリーランスや自営業・無職の方が加入します。
看護師の場合、退職中や派遣・単発勤務のみの期間に加入することが多いです。
収入をもとに、「基準額×●●%」といった形で保険料を算出していきますが、パーセンテージは住んでいる自治体によって多少異なることがあります。
例えば、23区内(特別区)はパーセンテージがやや高く、多摩エリアはやや低い傾向にあります。
メリット
・全国一律の制度で仕組みがわかりやすい
・市区町村で簡単に加入できる
デメリット
・前年の所得で保険料が決まるため、収入が減っても高額になることがある
・扶養制度がないため、家族も個別に保険料が発生
★参考:国民健康保険制度
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/koukikourei/index_00002.html
医師国保とは
医療機関・クリニック勤務者に多い保険
仕事をしている人が加入する「被用者健康保険」には、保険者(健康保険事業の運営主体)によっていくつかの種類があります。そのうちのひとつが「医師国保(医師国民健康保険組合)」です。
自治体や大学の医師会が運営する健康保険制度で、勤務先が医師会に所属しており、従業員数が常時5人未満の個人事業主である場合に加入できます。東京都の場合は『東京都医師国民健康保険組合』が主体になります。
医師会によって制度や給付に違いがありますが、ここでは東京都の医師国保について解説します。
メリット
・一般的な国保より保険料が安い
・健診助成など独自の給付制度がある
・世帯単位で加入になるため、家族の保険料が抑えられるケースも
デメリット
・自家診療(勤務先での受診)は健康保険が使用できない(全額自己負担)
・保険料が収入に拠らず一律のため、パートの場合は割高になるケースも
・扶養制度がないため、家族も個別に保険料が発生
以前は「産前産後期間の保険料免除がない」などもデメリットとして挙げられていましたが、令和6年1月1日から、東京都医師国保でも産前産後期間は保険料が免除されることになりました。
なお、基本的に、勤務先が法人である場合や、従業員が常時5人以上である場合は「協会けんぽ」等の社会保険制度に強制加入となりますが、申請により医師国保に継続加入している場合もあります。
★参考:東京都医師国民健康保険組合
https://www.tokyo-ishikokuho.or.jp/
協会けんぽとは
医療法人や中小企業勤務者が対象
「協会けんぽ(全国健康保険協会)」は「被用者健康保険」のひとつで、『全国健康保険協会』が保険者の健康保険制度です。いわゆる「社会保険」に含まれる健康保険は主にこちらで、中小企業の社員が対象です。
看護師の場合、医療法人・社会福祉法人や、株式会社が運営している訪問看護ステーション、介護施設などで勤務している人が多く加入します。
メリット
・保険料は会社と折半(自己負担は半分)
・扶養制度があり、家族もまとめて加入できる(扶養家族の保険料はかからない)
・出産手当金や傷病手当金など、給付制度が安定・充実
デメリット
・保険料はやや高め
・パートの場合、雇用条件によっては加入要件を満たさないケースも
★参考:全国健康保険協会(協会けんぽ)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/
まとめ
勤務先や働き方によって、加入する健康保険が変わってきます。
また、加入保険に「健康保険」と書いてあっても、それが「医師国保」なのか「協会けんぽ」なのか、求人票を見ただけではわからない…というケースも。
事前に確認をすることで、安心して転職活動を進めることができます。
退職・転職の際は、健康保険の切り替えに注意し、医療費が全額自己負担となってしまう空白期間が生まれないよう、早めに手続きを確認しましょう。


